作文の夏2022

(本文はお子様が読まれることを想定した文体にしております。)

今年ももうすぐ夏休み。夏休みといえば、読書感想文や人権作文など、文章を書く宿題が出されますね。みなさん、準備はいいですか?「いやだなぁ~」って思っていますか?そんな気持ちを少しでも軽くできればと思って、今年もここにアドバイスを書きたいと思います。

書くときの気持ちの持ち方

「作文の宿題、いやだなぁ~」って思っている人は少なくないと思います。本当にたいへんだし、できればやりたくないですよね。でもね、その「いやだなぁ~」という気持ちが、ますます作文を書けなくさせてしまいます。「いやだなぁ~」「めんどうくさいなぁ~」という自分の気持ちを、なるべく見ないふりして、前向きな気持ちで取り組むようにするとよいですよ。

ただ、そんなことを言われて、すぐに自分の気持ちをコントロールできたら楽なものなのですが、そんなことは簡単にできないですよね。そこで、少しでも前向きな気持ちをもてるようにするためのコツを、ここで二つお伝えしたいと思います。

まずは、文章のよしあしを気にしないこと。上手に書けているか、正しい言葉づかいで書けているかなど気にしないことです(もちろん、この学習会のような作文を教える教室では正しい言葉づかいになるよう教えますが、この話は、そういう教室などに通っていない人にも役立てられるアドバイスですのでそう言っています)。自分の書く文章がよくないんじゃないか、などということは全く気にせず、だいたんな気持ちで書いてみましょう。

二つ目は、遊び心をもってみること。ただ文章を書くだけではなく、自分自身でも楽しくなるような文章にしてしまうのはどうでしょう。たとえば、読書感想文であれば印象に残った場面をランキング形式でしょうかいするとか、物語や登場人物に関係するクイズを出すとか。登場人物へ向けたメッセージを書くとか、登場人物とあなたの空想のインタビュー、なんていうのもおもしろいかもしれません。

もちろん、そういうのだけで文章を成り立たせるのはむずかしいですが、ちょっとした味付けのようなものとして、そんな遊び心をもった部分を入れるようにすれば、書いていて楽しくなるようなものになるでしょう。

書くことが思いつかないときにどうするか

でも、そんな気持ちの持ち方の問題をクリアできたとしても、そもそも「何を書いたらいいかわかんない」「書くことが思いつかないんだよ」というなげきを持つ人も少なくないと思います。書くことが思いうかぶようにするにはどうしたら良いのでしょう。

読書感想文であれば、まず、書くことが思いつかないというじょうたいになってしまう前に、そもそも本を読むときに「よし、これで読書感想文を書くぞ!」という気持ちをしっかり持って読むことは大事です。なんとなくの気持ちで読み進めると、あとでふり返ろうとしても何も頭にうかばないということになってしまいます(ましてや、めんどうくさがっていやいや読むのはもっとまずいでしょう)。「読書感想文を書くぞ」と心に決めた頭で本と向き合うことで、その本の中に見えてくるものや、そこから取り出せるものがふえてくると思います。

またもう一つ、読書感想文とは「読書についての感想文」なのであって、「本についての感想文」ではない、という考え方を持つのもよいと思います。つまり、読んだ本そのものがどうだったのかをあれこれ書こうとするのではなくて、「本を読んだ」というあなたのたいけんに目を向けて書いていくとよいのです。

「本についての感想」を言葉にしようとすると、「おもしろかった」とか「感動した」とか「つまらなかった」とか、そういう言葉だけですんでしまいます。読書感想文に書くことが思いうかばないとなげく人の多くは、たぶんそうした感想を言葉にした先に何を書けばよいのかが思いつかないのではないでしょうか。でもそれは当然のことです。その「おもしろかった」とか「つまらなかった」といった言葉によって、もう感想を言い表すことは終わってしまっているのです。それ以上に言うべきことがうかばないのは無理のないことです。

それよりも、その読書を通じてあなたのなかに起こったものを言葉にしてみてください。具体的に言うと、たとえば本を読んでいるさいちゅう、どういう場面であなたがどんな気分になったか。あるいは、読み終わったあと、あなたはどんな気分になったか。または、あなたはその本とどういうふうに出会ったのか。そういう「読書前・中・後」でのあなた自身に目を向けて、それを言葉にすることをおすすめします。

「自分が主語になる文」を書こう

少しむずかしい言い方をすると、これは「自分が主語になる文」をなるべく多く書く方がよいということです。本の方が主語になる文ばかりを考えると、すぐにネタがつきて書くことがおもいつかなくなってしまうのです。

本を読む自分に目を向けることの他にも、本に書かれていることから思い出した自分自身のたいけんは無いでしょうか? または、登場人物たちがしていたことと似たことをあなたもしたことがありませんか? もしあるならば、そのたいけんについてしょうかいすることもおすすめします。その場合、それをかんたんに手短に書いてしまうのではなく、いつ・どこで・どういうふうに・だれとしたことなのかを具体的に書いてみましょう。また本に書いてあることとどんなところが似ていて、その似たできごとを味わっている登場人物たちのことをどう思うか、などなどできるだけくわしく書きましょう。というか、自然と、くわしく書かなければならなくなるはずです。書かなければならないと思うことはいっぱい出てくるはずです。こうした本の内容に通じる自分自身のたいけんを書けるということは、くわしくめいっぱい書いて原稿用紙をうめるチャンスなのです。

このように自分のたいけんを書くということも、「自分が主語になる文を書く」ということにつながっています。目を向けるのは、本そのものよりも、あなた自身。あなた自身がどうであったのか、またどうしたのかをしょうかいするつもりでいれば、書くことが思いうかばなくてこまってしまうということはきっと少なくなるでしょう。

この「自分が主語になる文を書く」という考え方は、読書感想文に限らず、人権作文など、他の文章を書くときにも通じるはずです。たとえば人権作文であれば、多くの人にとって「人権」という言葉がとてもとりとめなくて実感をもちにくいものだと思います。そのじょうたいで、ただばくぜんと人権のことを話題にして原稿用紙をうめようとしても、何を書けばよいのかわからなくなるのは当然のこと。

そうなってしまうのは人権を主語にした考え方をしているからなのです。「人権は…」「人権とは…」と考えるから、いつまでたってもぼんやりとした考えのままになってしまうわけです。そうではなくて、あなたを主語にして考えてみましょう。あなたがこれまで学校や家庭や交友関係の中でたいけんしたこと、味わったことを思い返してみてください。きっとそこに「人権」というものに通じる事がらがあるはずです。その「人権」に通じるあなたのたいけん談を具体的にしょうかいしていく。そこに少しだけでいいから、自分の思いや気付き、考察を入れる。それでもう十分りっぱな人権作文になっているでしょう。

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以上、作文系の宿題をするときの気持ちが軽くなるコツをお伝えしました。もちろん、これでかんぺきに作文ができるようになるというわけではないと思いますが、少しでもみなさんのはげみになればうれしいです。

がんばってくださいねー!

2022年07月12日 | Posted in コラム | | No Comments » 

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