「種文学賞」令和4年第2回目作品募集
内輪の作文コンクール「種文学賞」というものを年に二~三回ほど開催しています。現在令和4年の第二回目の作品募集期間で、9月30日を期限として生徒のみなさんに取り組んでもらっています。
種文学賞は、毎回様々な独自の作文課題を出して取り組んでもらう企画になっています。今回は
- 3~4年生の部「お気に入りの場所」
- 5~6年生の部「なりきり商店街」
- 中学生の部「なりきり市中案内」
- 高校生の部「なりきりわが街研究」
というお題のラインナップでお送りしています。
小学3~4年生の部のお題は、自分のお気に入りの場所を紹介する文章を書くというもの。そこがどういう場所なのか、その場所によって自分がどんな気持ちになるか、そういったことをくわしく言葉にしてもらう課題です。その場所が人から見て特別なものである必要はありません。自分自身のその場所への愛を存分に語ってくれればよいのです。200字以上の分量であれば、どんな長さの文章でも良しとしています。
そして、小学5年生以上の取り組むお題はすべて「なりきり〇〇」という名になっています。これらは共通してある一つのものを対象として扱うお題になっています。それを各部それぞれの難易度の切り口で考察し、文章化していくようになっているのです。
架空の街を想像する
小学5年生以上が考察対象にするその「一つのもの」とは、地図です。
地図をじっくりながめて、そこから何事かを見出し、文章に書き表していくという取り組み。社会科のエッセンスも若干入っている作文課題になっています。
その地図というのがこちら。
戸堂布県田根市(とどうふけん たねし)という地域の、墨屋(すみや)という名の駅周辺を描いた地図です。
戸堂布県……?そんな県、日本にあったっけ?
そう思ったみなさん、安心してください。日本にそんな地域はありません。では、一体どこにあるか。いや、無いのです。どこにも存在しないのです。つまり、この戸堂布県という地域は空想上の地域なのです。主宰・山分が勝手に作った町。そんな戸堂布県田根市の地図を見て、あれこれ考えてもらう取り組みだというわけです。
この「戸堂布県田根市墨屋駅周辺地図」のほかに、もう一つながめてもらう素材があります。それが、この「お宮通り商店街店舗案内」です。
これは、田根市の中にある「巣見矢神社」という社の向いから続く商店街「お宮通り商店街」にどのような店舗があるのかを記した図です。
小学5~6年生の部のお題「なりきり商店街」は、このお宮通り商店街の紹介文を書くというのがそのミッション。お宮通り商店街や巣見矢神社の近くに位置する巣見矢小学校に通う生徒になりきって、それぞれの空想するお宮通り商店街の様子を生き生きと文章にしてもらいます。
【小学5~6年生の部】「なりきり商店街」
あなたは、戸堂布県田根市にある市立巣見矢小学校に通う生徒です。学校の社会科の課題で、あなたがよく行っているお宮通り商店街について紹介することになりました。「お宮通り商店街 店舗案内」や、この商店街をふくむ市内の様子をえがいた「戸堂布県田根市墨屋駅周辺地図」を参考に、商店街や田根市のことを自由に想像して、お宮通り商店街の紹介文を800字以上1200字以内で原稿用紙に書きなさい。
一方、中学生の部「なりきり市中案内」と高校生の部「なりきりわが街研究」は、田根市墨屋駅周辺全体が考察対象です。中学生の部は、となりの市の中学校生徒に向けて、田根市のことを紹介する手紙を書くというシチュエーション、高校生の部は、夏休みの自由課題として田根市のことを研究したレポートを書くというシチュエーションを想定しています。
【中学生の部】「なりきり市中案内」
あなたは戸堂布県田根市にある市立巣見矢中学校に通う生徒で、生徒会長をやっています。隣の市にある北砂中学校との交流行事として、あなたは北砂中学校の生徒たちに向けて、田根市のことを紹介する手紙を執筆することになりました。
「戸堂布県田根市墨屋駅周辺地図」や「お宮通り商店街 店舗案内」を参考に、市内の様子・地理・産業・歴史などを自由に想像し、1200字以上1600字以内の範囲でこの手紙の原稿を書きなさい。原稿用紙への手書きでも、Microsoft WordあるいはGoogleドキュメントに打ち込んで執筆しても結構です。
【高校生の部】「なりきりわが街研究」
あなたは戸堂布県田根市にある常桐大学付属高校に通う生徒です。夏期休暇期間中の自由課題として、あなたは自校の立地する田根市墨屋駅周辺のことを調べ、レポートにまとめることにしました。
「戸堂布県田根市墨屋駅周辺地図」や「お宮通り商店街 店舗案内」を参考に、市内の様子・地理・産業・歴史などを自由に想像し、A4紙2枚以上3枚以内の範囲でこのレポートを書きなさい。レポート用紙への手書きでも、Microsoft WordあるいはGoogleドキュメントに打ち込んで執筆しても結構です。絵や図表を添付しても構いません。
どの部のお題も、地図をじっくり観察して、この田根市という街全体やお宮通り商店街の様子をできるだけ具体的にイメージするための手がかりを探すことになります。地図の中には、この街の歴史・文化・産業の想像をはかどらせる要素をいくつか用意しています。それらを通じていかにこの地域の風景をくわしく思い描き、自分自身をその風景の中に入りこませることができるかが、今回の種文学賞での戦いになるわけです。
外部の方からの作品応募も歓迎いたします
本記事の初めにも書いた通り、種文学賞は「内輪の作文コンクール」とうたっていますが、もし学習会外部の方からチャレンジのご希望をいただければ、喜んで承ります。本記事をご覧になって、お子様に取り組ませてみたいと思われたり、お子様自身がこれをお読みになって興味を持たれたりしたら、ぜひ問い合わせフォームからご連絡ください。9月30日までに作品をお出しいただければ受理いたします。その際には、学習会生徒たちの作品とならべて評定させていただくほか、山分が添削と講評をつけさせていただきます。
もし最優秀作品に選ばれれば、ちょっとした景品をご用意していますし、作品を出してくださった方全員に記念品のオリジナルしおりを差し上げています。
よろしければ、是非チャレンジしてみてください。
(山分大史)